荒々しいながらも迫力のある筆致で、特に戦闘シーンの描写は目を見張るものがあります。終盤は申し分ないのですがそこに至るまでがいたずらに複雑で、そのために沢山の説明台詞が必要になってしまっています。メーテは何を飲んでどうしてそうなったのか？等分かりにくい所もあります。読み切りなので設定は簡潔に。「自分を助けてくれた悪魔狩りに魔王が取り憑いていた」くらいで大丈夫です。これだけ描けるのだから自信を持ってください。期待しています。

殺し屋の少女二人が殺し合いの関係を続けながら友達になる、なかなか新鮮な物語で楽しく読めました。二人の対比が丁寧に描けているのは良いのですが、台詞も展開も少々多めで読みづらさを感じるのが難点です。主人公は「私達」ではなく藤田さん一人にして視点を統一した方が分かりやすいと思います。物語を整えられる様になれば格段に良くなるはず。今後の成長が楽しみです。

ともすれば残酷で陰惨になりそうな設定をコメディ調の軽さで進めているのが良いです。宇宙人達の解説が冗長気味で物語のテンポを邪魔してしまっているのが残念ですね。牛の話はそんなに重要ではないと思うんですがどうでしょう。絵が雑すぎて状況が頭に入らない場面が多いので、良いアイデアを活かすためにも画力の向上に努めてほしいです。

寿命を換金する斧というアイデアが面白く、シンプルに金目当ての主人公が清々しい。悪魔と二人ふてぶてしい感じが魅力的である反面、物語全体が変に淡々としていて戦闘シーンですらいまいち盛り上がりに欠けます。話の構成も素直すぎですね。「お前の死に価値をくれてやる」を１ページ目に持ってくるくらい大胆でいいでしょう。伸びしろはあると思うので頑張ってください。

キャラとその関係性がしっかりしていて上手くまとめられているなと感心しました。ネタとか表現がちょっと古いのは気になりますね。「I love you」の式は結構みんな知ってると思うので気を付けて。絵は達者だし10代でここまで描けるのは立派なので、どんどん描いて色んなネタを試してクオリティを上げていってほしいなと思います。