ギルデッドエネミー 服部 了

前回までのあらすじ

ストーリー

 1932年、アメリカのニューヨークは大恐慌をきっかけに治安悪化の一途を辿っていた。政府組織「救済局」は投薬により人々に異能力を与えエージェントと呼び、「民衆の敵(パブリック・エネミー)」と呼ばれる犯罪者たちに対抗する組織を作っていた。
 けれど元侵入捜査官・ウルフは、救済局が放火事件を起こしている可能性を知った――。ウルフは犯罪組織であるはずの「民衆の敵」から、救済局に侵入し内情を探るように依頼されて……!?


 重大犯罪課に冷静な判断能力を買われたウルフはA級任務に抜擢され、作戦会議に参加することに。しかし、ウルフとロイドが案内されたのは鉄格子の中だった。
 そこに現れたサリーから存在しないはずの写真を見せられ2人の秘密の関係を追及される。ロイドはカバーストーリーをでっち上げ、ウルフもその話に乗り、サリーを納得させることに成功。実は念写の能力を用いた写真を使った、身辺調査を兼ねた面接だったと告げられる。これでようやく任務に携われると安堵した2人だが今度は実技テストが待っていた。


 課題はある人物の能力をコピーすること。昨今新聞を賑わせている、物品や現金が消えるポルターガイスト事件。その犯人を能力持ちだと突き止め、被疑者を3人まで絞り込んだサリーはウルフにこの中から犯人を見つけ出し、持っているとされる能力「透明化」をコピーすることが今回のテストだと告げた。資料に目を通すやいなやウルフは犯人の目星がついたようで外へ飛び出した。


 向かった先はある母子が暮らす家。そこは被疑者の1人、刑事時代にウルフが取り調べをしていた、アイザックの家だった。彼は産まれる子どもに顔向けできるような人間になりたいと自首をしたが服役中に能力に目覚めてしまい脱獄をして再び盗みを繰り返していた。今日は息子の誕生日でそこに現れるとウルフは推理したのだった。推理通り現れたアイザックをウルフは責めず、力になりたいと手を伸ばしたが聞き入れてはもらえなかった。
 姿を見せないまま去ろうとする彼にせめて妻には少しでも姿を見せてほしいと懇願した去り際、ウルフにも姿を見せたのだった。
 「透明化」の発動する瞬間を見たことで「コピー」に成功したウルフは晴れてテストに合格。重大犯罪課でも正式な任務に挑む!

キャラクター紹介
  • ウルフ・ハーディ
    元・潜入捜査官として英雄だったものの、不況で解雇される。現在は一人で娘を育てている。コピー能力があるものの、一度コピーした能力は使えなくなる。
  • ライラ・ハーディ
    ウルフの娘。
  • ヴィクター・ダラムウェル
    元軍人で、現在は救済局局長。
  • アッシュ
    ギャング「黄金の死神(スカルギャング)」のボス。ウルフに「救済局」への潜入捜査を依頼し、自らも警察学校の訓練生として潜入しておりウルフのバディとなる。ウルフのバディ時はロイド・フェイスと名乗る。
  • サリー・イヴァンス
    重大犯罪課のボス