超常の力を持つ“枝憑き”のリュカは“音が見える”力を持つラッパ手である。楽師になる夢を叶えるため、枝憑きを集めている教皇のもと“花冠の枝憑き”と呼ばれる帝国の兵士を抹殺するべく“塔”を巡る戦争に参加することに――。
未来の世界では、隕石が落ちてきたことで「枝の力」という概念がもたらされたことで、時間をさかのぼる兵器である塔が開発された。塔下も魂だけ過去に送られ、作り物の肉体で活動している。 全ての塔に未来予知の機能が備わっていて「ラッパ手の少年が英雄になる」とは出るものの、楽師になるという未来は予知されなかった。 英雄になるよりも戦争の世界から抜け出したかったリュカはショックを受けるも、塔下の話は理解した。
リュカは祝賀会で女性をあてがわれたものの、ゾーイを待っていたために断る。 リュカはようやく目が覚めたゾーイと、自転車に乗って夜の丘を走りながら、予知がこれから外れることを祈って……?