世の中の人々が「無個性」であることに嫌気がさしていて、自身も「無個性」であることに絶望していた少年は、ある日人の顔や名前、固有名詞や個人情報等「個性のようなもの」がペンで塗りつぶされたように見える新病に罹り、12歳までに死ぬ事を告げられる。「悲劇の主人公」という「個性」を手に入れ、かつ自分がこの病気で最初に死んだ場合、病名が自分の名前になることを聞き、将来自分を見下した無個性達の子供が自分の名前の病気になり、自分のおかげで救われる痛快さに歓喜。 だが、そんな彼の前に同じ新病に罹る少女が現れる。少年より個性的でスター性のある彼女が、あろうことか少年より寿命が短く、彼女の名前が病名になる可能性が高い事を知る。
少年はそうなる前に、自らの手で彼女を殺すことを決意する。