いろはの門 津田穂波

前回までのあらすじ

ストーリー

 現代まで脈々と受け継がれている徳川政権。今から15年前「反徳川」による江戸城襲撃テロをきっかけに警備体制は見直され、城内警官に代わり「門官」が配備されることとなる。「門官」の業務は、徳川宗家が外出する際に同行し危険から守る「護衛」。江戸城各門の入り口で城を守る「警備」。モニタールームで監視業務を行う「警務」の3つがある。
 一橋門の門長・でありながら徳川宗家の血を継ぐ松平伊呂八は今日も門官として職務に励む――!!


 慰霊式で、神妙な面持ちの伊呂八は殉職した元一橋門・門長の猪飼に献花を捧げていた。伊呂八を守って亡くなったという猪飼。過去に起きた惨劇とは…。


 13年前、伊呂八は前将軍である父が原因で起こった事件で一橋家に引き取られる。その頃、伊呂八は一橋家嫡男の青鷹と折り合いが悪かった。事件で命を落としていった兄達のこともあり、青鷹が伊呂八に強く当たっていたのだ。
 そんな中、当時一橋門の門長だった猪飼の計らいで、優秀な伊呂八に家督を持っていかれてしまうのではという不安を明かすことができた青鷹。彼の胸の内を聞いた伊呂八は、今度こそ自分の手で家族を守るために、門官になるのだと宣言する。青鷹は、伊呂八に「自分は内側から」「伊呂八は外側から」一橋家を共に守ると誓う。
 しかし、そんな一橋家に危機が迫っていて――!?

キャラクター紹介
  • 松平 伊呂八
    (まつだいら いろは)
    一橋門・門長。しかしその正体は徳川宗家一門「一橋徳川家」の人間。前将軍の息子。
  • 有馬 膳巳郎
    (ありま ぜんしろう)
    一橋門・副門長。舌に触れただけで毒の有無がわかり、「鬼食いの有馬」という異名をも持つ。
  • 成瀬 眞柴
    (なるせ ましば)
    一橋門官。
  • 増山 花雪
    (ましやま はなゆき)
    一橋門官。
  • 猪飼 萩善
    (いかい しゅうぜん)
    元一橋門門長。13年前、賊から伊呂八を守った際に亡くなってしまう。