いろはの門 津田穂波

前回までのあらすじ

ストーリー

 現代まで脈々と受け継がれている徳川政権。今から15年前「反徳川」による江戸城襲撃テロをきっかけに警備体制は見直され、城内警官に代わり「門官」が配備されることとなる。「門官」の業務は、徳川宗家が外出する際に同行し危険から守る「護衛」。江戸城各門の入り口で城を守る「警備」。モニタールームで監視業務を行う「警務」の3つがある。
 一橋門の門長・でありながら徳川宗家の血を継ぐ松平伊呂八は今日も門官として職務に励む――!!


 将軍をもてなすお茶会の厨房の監視役をすることになった一橋門。さらに「鬼食いの有馬」という異名を持つ有馬はそこで提供される、大量のケーキの毒見役の任務を任される。
 当日、つつがなく進む有馬の毒見検査だったが、検査済みの余ったケーキを食べた増山が突然倒れ病院に運ばれてしまう。その後、再開された有馬による検査によって4つのケーキから毒が検出されたのだった。
 ケーキに毒を入れた犯人であるコックの男達が、逃げようとしていたところに伊呂八が現れる。先ほどの検査は犯人達を騙すための芝居だったのだ。毒入りケーキが全て当てられた時、犯人達が暴れる恐れがあったため、有馬が伊呂八にだけ分かるよう手の動きで毒の有無を伝え、言葉では嘘の情報を周囲に伝えていた。そして犯人であるコック達は捕らえられる。
 数日後、増山が倒れたのは毒が原因ではなく、期限切れの弁当を食べたことによる胃腸炎だったと判明するのだった。

キャラクター紹介
  • 松平 伊呂八
    (まつだいら いろは)
    一橋門・門長。しかしその正体は徳川宗家一門「一橋徳川家」の人間。
  • 有馬 膳巳郎
    (ありま ぜんしろう)
    一橋門・副門長。舌に触れただけで毒の有無がわかり、「鬼食いの有馬」という異名をも持つ。
  • 成瀬 眞柴
    (なるせ ましば)
    一橋門官。
  • 増山 花雪
    (ましやま はなゆき)
    一橋門官。