茜部先生は照れ知らず 多治見尚哉

前回までのあらすじ

ストーリー

 憧れの漫画家・茜部(あかなべ)アキラのアシスタントになった漫画家志望の崎枝(さきえだ)コウキ。茜部は崎枝の描いた絵を一切の照れもなく真面目な顔で、ストレートに褒めまくり始める。そんな中、まさかの茜部からの告白により、二人は恋人同士になるが、彼女からの褒め攻撃は加速する。照れて仕事が捗らないと訴える崎枝に、なるべく崎枝を照れさせない褒め方を覚えることを初めての「恋人のために頑張る」ことだと、ワクワクする茜部だったが…?


 茜部の仕事場に八百(やお)がお酒を持って遊びに来たため、3人で一緒に飲むことに。疲れが出ている八百に、励ましの言葉をかけて褒め倒す茜部。茜部は、酔うといつも以上に無限に褒めまくるタイプであった。
 八百が寝た後、茜部の照れ知らずが加速し、崎枝に密着して甘えモードになる茜部。可愛いと感じながらも明日の仕事のために帰ろうとする崎枝に「泊まって行きなよ」と茜部は声をかける。だが、崎枝は刺激が強すぎるお泊まりは仕事に影響が出ると考え、このまま泊まったら寝ぼけた八百が隣で寝てしまうかもと茜部に言い、なんとか帰るのであった。


 茜部から「助けて」と連絡があったため茜部のいる公園へ駆けつける崎枝。そこには、運動好きの茜部の妹・さやとその遊びに疲れ果てた茜部が横たわっていた。力尽きた茜部に代わり、さやと遊ぶ崎枝だが、運動不足のためすぐ茜部と同じように疲れ果ててしまう。
 大事な人が元気に長生きすることが夢であるさやは、漫画家は運動不足などで短命の人が多いというニュースを見て心配になったため、遊びに誘ったということであった。さやに心配をかけないように茜部と崎枝は、毎日運動すると約束をしたが、翌日筋肉痛で一ミリも動けなくなるのであった…。

キャラクター紹介
  • 茜部 アキラ
    (あかなべ あきら)
    漫画『紅の魔女』の作者。アシスタントである崎枝を照れることなく褒めちぎる。茜部の告白により、崎枝と交際を始める。
  • 崎枝 コウキ
    (さきえだ こうき)
    憧れの漫画家・茜部の漫画アシスタント。アシスタントになる前から、茜部の作品である『紅の魔女』の大ファン。茜部からの褒め殺しに翻弄される。
  • 八百 桜
    (やお さくら)
    漫画『初恋は東京』の作者。茜部の大学時代からの親友。関西弁。友人想いではあるが感情豊かで極端な性格。恋愛に関してかなり初心。
  • 各務 はるか
    (かかみ はるか)
    茜部の担当編集者。明るく元気な性格だが、連絡ミスが多く少し雑なところも。彼氏はできたことがない。
  • 茜部 さや
    (あかなべ さや)
    茜部の妹。大学1年生。素直でまっすぐな性格。一度運動のスイッチが入ると満足するまで家に帰らないほどの運動好き。